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FSSC22000とは?規格要求事項やVer5.1の変更点をわかりやすく解説

2022.04.26

「FSSC22000ってなに?」「FSSC22000を取得するにはどんな要求事項がある?」「FSSC22000とHACCP義務との関係は?」
2018年6月に食品衛生法が改正され、HACCPの義務化がされたことで、食品衛生への意識が高まっている昨今。食品を取り扱う事業者の中には、FSSC22000という言葉を聞いたことがあるのではないかと思います。
FSSC22000は、国際規格の食品安全システムです。言葉は聞いたことがあっても実際にどんなシステムなのか?どのような要求事項があるのか?詳しく知っている方は少ないのではないのでしょうか?
そこで今回は、HACCP導入や民間認証取得のサポートを行う東邦電気工事株式会社が、FSSC22000とは何かをわかりやすく解説。
この記事を読むと、FSSC22000について一通り網羅できます。

  • FSSC22000とは
  • FSSC22000のメリットデメリット
  • FSSC22000の取得率と認証機関一覧
  • FSSC22000とJFC-S、FSMS、SQFとの違い
  • FSSC22000の対象となるフードチェーンカテゴリ
  • FSSC22000取得の難易度とかかる費用
  • FSSC22000の規格要求事項
  • FSSC22000 Ver5.1の変更点
  • FSSC22000の内部監査におけるチェックリスト
  • FSSC22000における食品安全目標の具体例
  • FSSC22000取得の取得の際の非通知審査について
  • FSSC22000とHACCP義務化の関係

それではFSSC22000とは何かについて、詳しく見ていきましょう。

FSSC22000とは?わかりやすく簡単に解説

FSSC22000について知らない方のためにも、わかりやすく簡単に解説します。

FSSC22000の読み方は?

FSSC22000はそのまま「エフエスエスシーニマンニセン」と読みます。
FSSCは、「Food Safety System Certification(食品安全システム認証)」の頭文字を取ったものです。

FSSC22000とは?

FSSC22000は、ISO22000をベースとした、より強固な食品安全管理を実施するための国際規格のマネジメントシステムです。
食品安全を推進する組織「GFSI(Global Food Safety Initiative:世界食品安全イニシアチブ)」のベンチマーク規格として承認されています。

FSSC22000のメリット

FSSC22000を取得するとさまざまなメリットがあります。一般財団法人日本品質保証機構によると、以下のようなメリットを挙げています。

  • 食品の安全な提供に関わるリスク低減
  • 業務効率の改善や組織体制の強化
  • 仕事の見える化による事業継承の円滑化
  • 継続的な改善による企業価値の向上
  • 法令順守(コンプライアンス)の推進
  • 海外企業を含む取引要件の達成

ISO22000に規格要求事項を追加することで、より確実な品質管理を行うことが可能になり、食品提供に関わるリスクの軽減はもちろん、作業工程を見直すことや仕事を見える化することで業務の効率化や組織強化、事業継承の円滑化など、さまざまなメリットが得られます。
FSSC22000は、国際規格であるため、国際的に大きな信用を得ることができます。そのため、海外企業との取引も可能になるというのも大きなメリットです。

FSSC22000のデメリット

FSSC22000のデメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 認証取得費用、更新費用などのコストがかかる
  • 認証取得に多くの工数とリソースを要する

FSSC22000の認証を取得するには、取得費用と更新費用がかかります。認証1年目にかかる費用は、30人規模の工場で、約150万円程度です。
また、FSSC22000認証には、400以上もの規格要求事項を満たす必要があります。そのため、多くの時間や人員、場合によっては設備費用をかけなければいけません。

FSSC22000の取得率と認証機関一覧

FSSC22000認証を取得している日本企業は、2022年4月24日時点で2,947件。世界全体の認証取得企業は、28,791件。日本の取得率は、全体の約10.2%を占めています。
認証機関一覧はこちらをご参照ください。

FSSC22000とJFC-S、FSMS、SQFとの違いは?

FSSC22000と似たような国際規格としてJFC-S、FSMS、SQFという国際認証規格があります。
以下では、FSSC22000とそれぞれの認証規格の違いについて解説します。

FSSC22000とJFC-Sの違い

JFC-Sは、2018年11月にGFSIによって新たに認証された日本発の食品安全マネジメントシステムです。
フードチェーン全体の食品安全レベルを向上させることを目的とし、大きな特徴としては、現場からの改善提案の活用といった日本独特の管理文化が規格要求事項に反映されています。
FSSC22000との違いは、FSSC22000の認証範囲に含まれる「食品包装、及び包装資材の製造」がJFS-Cでは含まれない点です。
日本品質保証機構によるとJFS-C規格が認証されているカテゴリは以下の通りです。

・CⅠ:腐敗しやすい動物性製品加工
・CⅡ:腐敗しやすい植物性製品加工
・CⅢ:腐敗しやすい動物性及び植物性製品加工(混合製品)
・CⅣ:常温保存製品の加工
・K:化学製品(生化学製品を含む)の製造(ビタミンや添加物など)

FSSC22000とFSMSの違い

FSMS(Food Safety Management system)は、日本語で食品安全マネジメントシステムと表記され、消費者に安心と安全を届けるために、食品事故に繋がるハザード(危害)を適切に管理する仕組みによって食品安全を保証することを目指したシステムです。
FSSC22000は、FSMSの中の規格の1つであり、ISO22000やJFS-CもFSMSに含まれます。
つまり、FSSCやISO、JFS-Cは、FSMSの目指す「仕組みによって食品安全を保証する」ための1つの手段であるという事なのです。

FSSC22000とSQFの違い

SQS(Safe Quality Food)は、FSSC22000同様、GFSIのベンチマーク規格として承認され、北欧やオセアニア地域を中心に普及している食品安全マネジメントシステム・品質管理システムです。
ISO22000やFSSS22000同様、HACCPの管理手法がベースとなっており、HACCPのマネジメント管理やGMP(適正製造規範)の欠けた部分を補強する内容で3段階の認証要求水準で構成されています。
そのため企業は、取引先事業者の要求レベルにあわせて認証取得に取り組むことができ、段階を踏んだ管理レベルの構築が可能です。

FSSC22000とSQFの大きな違いは、FSSC22000がマネジメントシステムを認証する規格であるのに対し、SQFは製品を認証する規格という点です。
SQFは、特定の製品に認証を受けられることから、品質コードの認証を取得することで認証マークを製品に貼り付けることができます。

FSSC22000の認証範囲となるフードチェーンカテゴリ一覧

FSSC22000の認証範囲となるフードチェーンカテゴリは、以下の通りです。

カテゴリ サブカテゴリ
A 畜産・水産業(動物生産) AⅠ
AⅡ
肉/乳/卵/蜂蜜のための畜産
魚及び海産物の生産
C 食品製造 CⅠ
CⅡ
CⅢ

CⅣ
腐敗しやすい動物性製品の加工
腐敗しやすい植物性製品の加工
腐敗しやすい動物性製品及び植物性製品の加工(混合製品)
常温保存製品の加工
D 動物の飼料製造 DⅠ
DⅡ
飼料の製造
ペットフードの製造
E ケータリング
F 流通 FⅠ 小売り/卸売り
G 輸送及び保管サービスの提供 GⅠ
GⅡ
腐敗しやすい食品及び飼料の輸送及び保管サービスの提供
常温保存食品及び飼料の輸送及び保管サービスの提供
I 食品包装、及び包装資材の製造
K (化学製品(生化学製品を含む)の製造

FSSC22000取得の難易度とかかる費用や期間

FSSC22000認証を取得するには、400以上の規格要求事項を満たす必要があり、多くのリソースが必要です。
以下では、FSSC22000の認証取得の難易度とかかる費用について解説します。

FSSC22000取得の難易度は?

FSSC22000の規格要求事項を読むと、言葉遣いが難しいため、認証取得自体の難易度も高く感じるかもしれませんが決してそうとは限りません。
日ごろから食品安全への意識を高く持っている企業にとっては、既に日々行っている項目も少なくないのです。
しかし、FSSC22000は、ISO22000の規格要求事項よりも多くの項目を満たす必要があるため、ISO22000に比べると難易度は高くなります。
もちろん、その分より確実な食品安全を行っているという証明になるため、国際的に大きな信頼を得ることができます。

FSSC22000を取得するのにかかる費用

FSSC22000取得にかかる費用は、従業員数や取り扱う製品によって異なります。
また、多くの場合、コンサルタントに取得のサポートを依頼するケースがほとんどであるため、コンサルティング費用等も発生してきます。
例えば20~30人規模の食品工場であれば、1年目の登録にかかる費用が約150万円~。2、3年目の更新費用はそれぞれ約60万円、4年目は約80万円が目安です。

FSSC22000認証取得までの期間

FSSC22000を取得するには、おおよそ12ヶ月~18ヶ月かかります。
認証取得までにかかる期間は費用同様、従業員数や取り扱う製品、取得する事業所の数、取得に取り組む人数、既に何らかのISO認証を受けているかどうかなどによって大きく異なります。

FSSC22000の規格要求事項について解説

FSSC22000の規格は、大きく以下の3つで構成されています。

  • 食品安全マネジメントシステム(ISO22000)
  • 前提条件プログラム(ISO/TS 22002-1またはISO/TS 22002-4)
  • 追加要求事項

食品安全マネジメントISO22000の規格をベースとし、食品製造業か包装資材の製造業かによって、ISO/TS 22002-1またはISO/TS 22002-4に分かれます。
それに加え、追加要求事項を満たすことでFSSC22000認証の取得ができます。
追加要求事項は以下の通りです。

  • 2.5.1 サービスの管理及び購買材料
  • 2.5.2 製品のラベリング
  • 2.5.3 食品防御
  • 2.5.4 食品偽装の軽減
  • 2.5.5 ロゴの使用
  • 2.5.6 アレルゲン管理(フードチェーンカテゴリC,E,FⅠ,G,I&K)
  • 2.5.7 環境モニタリング(フードチェーンカテゴリC,I&K)
  • 2.5.8 製品の処方(フードチェーンカテゴリD)
  • 2.5.9 輸送及び配達(フードチェーンカテゴリFⅠ)
  • 2.5.10 保管及び倉庫管理(全てのフードチェーンカテゴリ)
  • 交差汚染を防止するためのハザード管理及び分析(フードチェーンカテゴリC及びI)
  • 2.5.12 PRP検証(フードチェーンカテゴリC,D,G,I,K)
  • 2.5.13 製品開発(フードチェーンカテゴリC,D,E,F,I,K)
  • 2.5.14 健康状態(フードチェーンカテゴリD)
  • 2.5.15 マルチサイト認証を有する組織の要求事項(フードチェーンカテゴリA,E,FⅠ,G)

追加要求事項についての詳細は最新版FSSC22000 Ver5.1をご覧ください。

FSSC22000 Ver5.1の変更点について解説

2020年11月にFSSC22000のVer.5.1が発行されました。より細かい要求事項が追加され、より強固な食品安全を構築することができます。以下では、それぞれの変更点について解説します。

出典最新版FSSC22000 Ver5.1

2.5.1 サービスの管理及び購買材料

「2.5.1 サービスの管理」に「購買材料」が追加。
(b)フードチェーンカテゴリーC,D,I,G及びKについてISO22000:2018 の7.1.6項に追加要求事項が適用。
組織は、製品が指定された要求事項に適合しているかを確認し、供給者が評価されていることを緊急時の調達のために文書化された手順に有していなければならない。

(c)ISO/TS 22002-1:2009 9.2項に加え、組織は、禁止物質(医薬品、動物用医薬品、重金属、農薬など)の管理対象となる動物、魚介類及び水産物の調達に関する方針を有していなければならない。

(d)フードチェーンカテゴリーC,D,I,G及びKについて、ISO/TS 22002-1:2009 9.2項、ISO/TS 22002-4 4.6項、ISO/TS 22002-5 4項に次の追加要求事項が適用。
食品安全、法的要求事項及び顧客要求事項に継続的な適合を確実にするために、製品仕様のレビュープロセスを確立し、実施、維持しなければならない。

2.5.2 製品のラベリング

組織は、最終製品にアレルゲン及び顧客固有の要求事項を含む、販売先予定のすべての国に適用可能な食品安全の法令・規制要求事項に沿ってラベルを貼付。,br>製品にラベル表示されない場合、顧客・消費者が確実に食品を安全に使用するために、関連するすべての製品情報を利用可能にしなければならない。

2.5.3~2.5.9までは変更なし

「2.5.3 食品防御」から「2.5.9 輸送及び配達(フードチェーンカテゴリFⅠ)」までは変更はありません。

2.5.10 保管及び倉庫管理(全てのフードチェーンカテゴリ)

(a)先入れ先出し(FIFO)要求事項に併せて、使用期限順先出し(FEFO)の原則を含む手順と特定の在庫回転システムを確立し、実施、維持しなければならない。

(b)ISO/TS 22002-1:2009 16.2項に加え、製品の冷却冷凍に関して、と畜の時間・温度を定義する特定の要求事項を定めていなければならない

2.5.11 交差汚染を防止するためのハザード管理及び分析(フードチェーンカテゴリC及びI)

(a)フードチェーンカテゴリーIについて、ISO22000:2018 8.1.5項に加え追加要求事項が適用。
包装が食品に対して機能的効果を付与・提供している場合(保存期間の延長など)、所定の要求事項を定めていなければならない。

(b)フードチェーンカテゴリーCⅠにおいて、ISO/TS 22002-1:2009 10.1項に加え、追加要求事項が適用。
動物が人間の消費に適したものであることを保証するため、と畜場における係留場所及び、内臓摘出時の検査プロセスのための特定の要求事項を定めていなければならない。

2.5.12 PRP検証(フードチェーンカテゴリC,D,G,I,K)

フードチェーンカテゴリーC.D.G.I.Kにおいて、ISO22000:2018 8.8.1項に追加要求。
食品の安全性を確保するため、サイト、生産環境、加工設備が適切な状態で維持されるよう、定期的な現場検証、PRPチェックを確立し実施、維持しなければならない。
頻度と内容は、定義されたサンプリング基準をもつリスクに基づいたものであり、関連する技術仕様書にリンスしなければならない。

2.5.13 製品開発(フードチェーンカテゴリC,D,E,F,I,K)

安全で合法的な製品を確実に製造するため、新製品や製品変更または製造工程変更に関する製品設計及び開発手順を確立し、実施、維持しなければならない。また、以下の項目を含まなければいけない。

(a)新たに導入された食品安全上のバザード(アレルゲンを含む)を考慮したFSMSに変更した場合の影響を評価し、また変更に応じたバザード分析も更新する。

(b)新製品と既存製品・プロセス、プロセスフローへの影響の検討

(c)リソースとトレーニングの必要性

(d)設備とメンテナンスの要件

(e)製品の配合、製造プロセスにおいてが安全な製品を生産し、顧客要求事項を満たすかどうかを検証するために、生産試験やセルフライフ試験を実施する

2.5.14 健康状態(フードチェーンカテゴリD)

ISO/TS 22002-6 4.10.1項に加え、従業員の体調が、飼料生産業務に支障を及ぼさないような手順を構築しなけらばならない。
創業の法的制限を条件として、危険性がないという医学的評価を文書化して示さない限り、従業員は、飼料との接触作業に従事する前に健康診断を受けなければならない。
接触作業への従事が許可されている場合でも、必要に応じて組織が定める間隔で追加の健康診断を受ける必要がある。

2.5.15 マルチサイト認証を有する組織の要求事項(フードチェーンカテゴリA,E,FⅠ,G)

2.5.15.1 中央機能

(a)中央機能の管理者は、管理者、内部監査員、内部監査を審査する技術要員、そのたFSMSに関与する主要要員の為に必要な資源を利用でき、それらの役割・責任・要求事項が明確に定義されていることを確認する必要がある。

2.5.15.2 内部監査の要求事項

(a)マネジメントシステム、全拠点をカバーする中央機能が、内部監査の手順とプログラムを確立していなければならない。
内部監査員は、公平性を保つために、中央機能が任命する。

(b)マネジメントシステム、中央機能、全拠点は、少なくとも年1回以上の頻度で監査を受ける必要がある。

(c)内部監査員は、下記条件を満たさなければならない。
職務経験:組織内で少なくとも1年間、食品業界で2年間フルタイムの実務経験
学歴:高等教育コースを修了。正式なコースがない場合は、食品製造または、製造、輸送、貯蔵、小売、検査または執行の分野で少なくとも5年の実務経験
トレーニング:
i.FSSC22000の内部監査の場合、主任監査員は、40時間のFSMS、QMS、FSSC22000の主任監査員コースの修了。
ii.内部監査チームその他の監査員は、監査の原則、実務・技術をカバーする16時間の内部監査員コースの修了。
iii.FSSCスキームトレーニングは、少なくともISO22000、前提条件プログラム及び追加要求事項のカバーをしており、最低8時間とする。

(d)内部監査報告書は、内部監査の結果生じた不都合への対応を含め、中央機能による技術審査を受けなければならない。技術審査員は、公平性を保つために少なくとも、FSSC規範文書を解釈し、適用できる能力を持っていると同時に、組織のプロセス・システムに関する知識も持ち合わせている必要がある。

(e)内部監査員及びテクニカルレビューアーは、年1回のパフォーマンスモニタリング、校正を受けなければならない。モニタリングで識別されたフォローアップ処置は、中央機能がタイムリーに適切に対処しなければならない。

FSSC22000における内部監査のチェックリスト

FSSC22000を取得すると、定期的に内部監査を行う必要があります。
以下では、内部監査とはそもそも何か?内部監査におけるチェックリストを紹介します。

内部監査とは?

内部監査とは、食品の安全な提供が維持できるように定められたマネジメントシステムが機能しているかどうかを企業の内部の者によって確認する審査です。

FSSC22000認証を継続するためには、定められた時期に規格承認機関による監査を受ける必要があります。規格承認機関による監査に不合格になった場合、認証された規格が失われてしまうため、内部監査を行うことで規格承認機関による監査に事前に備えることができるのです。

FSSC22000における内部監査チェックリスト

内部監査を行う上で、自社で定めたチェックリストの項目が有効かどうかが最も重要です。
内部監査のチェックリストを作成する際は、以下の点を抑えておきましょう。

  • 食品安全目標と方針に整合性があるか
  • 食品安全目標が計測可能な内容かどうか
  • 業務プロセスの見える化がなされているか
  • 食品安全計画が手順通りに実行されているか
  • 組織全体の外部及び内部課題が明確になっているか
  • 従業員に対して適切な教育・指導がなされているか
  • 監査結果に基づいてプロセスの見直し、フォローアップ処置がなされているか
  • 適切な方法でデータ収集が行われているか

チェックリストは、規格要求事項に沿って質問を設定します。
そのため、FSSC22000のバージョンアップするたび、マネジメントシステムを更新すると同時に内部監査チェックリストも更新していく必要があります。

FSSC22000における食品安全目標の具体例

食品安全目標はFSSC22000認証取得するために必要な項目です。以下では、食品安全目標の作成のポイントと具体例について解説します。

食品安全目標とは?

FSSC22000では、食品やサービスの安全な提供を行うために、食品安全目標を定めなければいけません。
食品安全目標を設定する際に最も重要な点は、その目標が計測可能なものかどうかです。
「何を」「いつまでに」「どこまで」「だれが」「どのように」達成するのか具体的な目標を設定します。
「安全な食品を食卓に届ける」というような漠然とした目標ではなく、達成状況がわかるような具体的な内容に設定することが必要です。

食品安全目標を作成するポイントと具体例

食品安全目標を設定する際に重要なポイントが3つあります。

  • 食品安全に関する会社の方針と整合性があるか
  • 法令や取引先企業から求められる規格に反していないか
  • 取引先企業から会社に対してどのような食品安全上の要望があるか

これらを考慮して食品安全目標を作成します。

具体的な目標としては、

  • 「食品安全に関する講習会への参加率を1年間100%を維持する」
  • 「毎月行われるの5Sチェックの評価Aを連続6ヶ月取得する」

など、が挙げられます。
このように食品安全目標は計測可能で、具体的な内容に設定します。
また、難易度を高く設定するよりは、達成しやすい目標から設定すると、従業員のモチベーション維持にも繋がります。

FSSC22000取得の際の非通知審査とは?

非通知審査とは、認証維持のために審査日を通知しない審査をいいます。
FSSC22000では、毎年サーベイランス審査が行われ、3年目には更新審査が行われます。
サーベイランス審査のうちどちらかで非通知審査が行われ、抜き打ちで日頃から食品安全のためのマネジメントが有効に実施されているか審査されます。

非通知審査では、企業に休業日がある場合に、「除外日」として設定しておくことができます。除外日の設定には、正当な理由が必要とされており、「繁忙期だから」「新人が入社したばかりだから」といった理由で除外日に設定することはできません。

もし、仮になんらかの理由で非通知審査を拒否した場合、認証は直ちに一時停止となり、6ヶ月以内に非通知審査が行われない場合、認証は取り消しになってしまいます。
どんな状況であれ、日頃から非通知審査に対応できるよう組織体制を整えておくことが大切です。

FSSC22000とHACCP義務化との関係は?

2018年6月にHACCP導入の義務化がなされました。
HACCP導入が義務化されたことでFSSC22000の認証取得も行わなければいけないというわけではありません。
HACCPは、食品安全のための一つの手法であり、FSSC22000は食品安全のためのマネジメントシステムです。
つまりHACCPは、FSSC22000の中に含まれる手法であり、FSSC22000の認証取得をするためにHACCP導入は必要不可欠なのです。

SUMMARYまとめ

HACCP義務化によって、食品安全への意識が高まりつつある昨今。HACCP導入だけではなく、多くの企業がFSSC22000をはじめとするさまざまな国際規格の認証取得に取り組んでいます。
消費者や取引先企業とより強固な信頼を築くためには、FSSC22000は非常におすすめできるマネジメントシステムです。

東邦電気工事株式会社では、FSSC22000をはじめとする民間認証サポートを行っております。
より安全な食品・サービスを提供するためにFSSC22000認証取得に取り組もうかお悩みの企業様はぜひこちらまでお問い合わせください。

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受変電設備・キュービクルの更新・メンテナンスから食品工場の衛生管理・HACCP対応、保守管理、高圧電気工事、空調設備工事、災害対策設備(BCP)は名古屋市・一宮市の東邦電気工事株式会社にお任せください。昭和11年に創業、昭和31年に東邦電気工事株式会社として法人化。それ以降、総合電気工事メーカーとしてたくさんの工場のお客様から直接受注を頂いてきました。現在は繊維工場や自動車関連工場だけでなく、食品工場や公官庁の電気工事・メンテナンスにも携わっており、お客様の「安心と感動」を提供するために日々邁進しております。

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